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リアルイベント開催のためのウェブサービス利用のコツ

「リアルイベント開催のためのウェブサービス利用のコツ」は、2010/07/19 月配信のARGに初掲載されました。

このページの短縮URLは http://j.mp/realeventwebservice です。

0.はじめまして

はじめまして。「Wikiばな」(http://wikibana.socoda.net/)というIT系イベントでダンドリストをしているshinoです。今回は、第十回Wikiばなで、岡本さんに発表をお願いしたご縁で、「第十回Wikiばなの区切りにARGに原稿を!」と逆依頼を受け、出て参りました。

Wikiばなは、2004年から不定期に開催される、Wikiについて語り合うイベントです。Wikiばなの「ばな」は恋バナの「バナ」で、参加者がゆるく、しかし熱く、Wikiについて語りあえるオープンなイベントを目指しています。ネタがない時はあえて無理せず休眠しつつも、おかげさまで、2010年06月までに十回の開催を重ねています。

また、わたしは、Wikiばななどのイベント開催の知見をまとめ「リアルイベント開催のためのパターンランゲージ」(http://j.mp/realeventpdf)を共著し、AsianPLoP2010で発表しました。これはイベントの立ち上げや開催、そして終了まで、人がどのような行動を取れば良いのかを記したテキストです。

ARGの読者の皆様は、図書館や情報学や編集、また、アカデミックな方が多いかと思います。おそらく、素人のわたしよりも、よっぽどたくさんのイベントや会議、もよおしものを開催されているかと思います。そうした皆様に、どれだけ役立つお話ができるのかしら、と、思いつつも、一方で、いま、IT系では勉強会やイベントが大変盛んで、ウェブを活用したイベントのノウハウがたくさん整いつつあります。

今回、前半はWikiばなのご紹介を、後半はイベント開催時のウェブサービス利用のコツをお伝えします。

1.Wikiばなとは

まず最初に、WikiとWikiばなについてご紹介させてください。

Wikiは、今ではネットに親しむ人なら誰もが知っているものですが、2004年頃、Wikiばな立ち上げ時は、アーリーアダプターと呼ばれる、一部の先進的なハッカーたちが興味を示したツールでした。Wikiというと、ネットユーザが誰でも編集できる百科事典の"Wikipedia"が有名ですが、わたしがターゲットとしたのは、"Wikipedia"ではなく、"Wiki"そのものです。

Wikiはblogやbbsといったウェブ上のサービスの一種です。blogとWikiの違いは、blogはエントリと呼ばれる記事が日付順に並べられ、執筆も個人が主体なのに対し、Wikiは編集された日付順に記事が並べられる機能もありますが、blogほど記事が日付にしばられてはいません。

なにより、Wikiは、ひとつの記事を複数人でコラボレーションを通して書くことが想定されているのが、大きな特徴です。世界で最初にWikiを作ったウォード・カニンガムらによる、Wiki本の邦訳が2002年に出版されていますが、このタイトルが『WikiWay -コラボレーションツールWiki-』で、Wikiの特徴をよく示したものです。

blogに、MovableTypeやWordPressといった様々なエンジン(プログラム)があったりするように、WikiにもWikipediaのエンジンであるMediaWikiや、世界でもっともシェアが高いPukiWiki、FSWiki、Hikiなど、さまざまな種類のエンジンがあります。

初めて、わたしがWikiに触れたのは、プログラマであり作家である結城浩さんが、2001年に公開されたYukiWiki(http://www.hyuki.com/yukiwiki/)でした。YukiWikiは日本語が使える国内産Wikiエンジンの第一号で、結城さんはエンジンとしてYukiWikiを公開されただけでなく、ご自分のサイトに設置され(http://j.mp/yukiwiki)、誰でも編集できるおもしろいツールとしてサイトの読者に触ってみることを呼びかけられました。

それまで、ウェブ上にページを作ったり、書き込みをするのは、blogはまだない時代で、ftpでhtmlファイルをアップロードしたり、bbsで投稿をするのが主流でした。いずれも情報発信者がひとりで執筆し、固定的なテキストとして投稿する形式がメインでした。ところが、Wikiはひとつのページを、複数人で書き換え、一つの成果に向かってコラボレーションできるツールです。これは、わたしにとって、ものすごい衝撃でした。

また、2001年のYukiWiki登場をはじめとし、ハッカーたちが、次々と日本語が使えるWikiエンジンを生み出しました。わたし自身は、文系出身のプログラマで、残念ながらハッカーと呼ばれるほどの技術はありません…。ひとりの平凡なプログラマとして、先進的なハッカーにあこがれ、一人でも多く、すばらしいハッカーに出会いたい!そして彼らの作り出すWikiエンジンと、(表現が大げさかもしれませんが)Wikiによって変えられた世界を見たい!というミーハー気分でWikiばなを開催しようと思いました。

Wikiばなは、日本国内でWikiエンジンを開発しているプログラマの注目を集めることに成功し、2004年3月に最初に開催したWikiばなに集まったのは12名ほどでしたが(でもメンバーは濃かった)、一年後、2005年3月に開催した「第4回Wikiばな Wiki博覧会」では、Wikiエンジン開発者による発表が13件、参加者全員あわせると80名の規模になり、その後、一年間、技術評論社のSoftware Design誌で、Wikiに関する雑誌連載の企画を任されました。

過去の活動を見ると、2008年の一年間は、活動にブランクがあります。この期間はWiki自体、機能の方向性が定まり、世間でのWikiの認知度もWikipediaの普及と共に定まり、安定した期間と言えますが、Wikiばなを開催する適当なテーマが見つからなかったため、あえて無理せず、活動を休止していました。

しかし、2009年は、Wikiばなにとってひとつの転機になりました。第一回Wikiばなから参加されていたメンバーのひとり、メーリングリストとWikiを融合させたqwikWebの開発者の江渡浩一郎さんが『パターン、Wiki、XP 〜時を超えた創造の原則〜』(http://amzn.to/bCdXw9)という、Wikiの起源に迫る本を刊行されました。この本では、Wikiがどのような人々によって、また、どのような考えのもとに、生まれてきたツールなのかを、歴史を振り返り、解きほぐした本です。プログラマでなくとも、ウェブの文化に興味のある方は、ぜひご一読ください。

2009年07月に、この『パターン、Wiki、XP』を主軸に、一年半ぶりに「第七回Wikiばな 〜Wikiの起源へ〜」を開催することができました。この回から、Wikiばなは、Wikiエンジン開発よりのテーマよりも、ウェブ全体の中で、Wikiを運用したり、ウェブの中で情報を取り扱うには、何を考える必要があるのか、という、プログラムよりも人間寄りのテーマを主として扱うようになりました。

2010年03月第八回Wikiばなでは集合知を扱い、2010年06月「第十回Wikiばな」ではサイエンスコミュニケーターの方々を招き、専門知を一般の人が使うとは、一体、どういうことかという内容を扱いました。

1-1.Wikiばなが目指しているもの -オープンでフラットな話し合いの場-

Wikiばなの「ばな」は恋バナの「バナ」です。名前に「ばな=話」が入っているように、来場者同士が、ディスカッションというよりは、もっとゆるく話をしあえる場の提供を目指しています。

当初はポジションペーパーを用いたワールドカフェ方式に近い形式で開催していましたが、最近は、本編は発表やライトニングトークといった登壇者が来場者に対して話をする形式です。これでは、来場者同士が話をしあうことがあまりできません。

ですから、本当のWikiばなはその後に続く懇親会が本領発揮の場と考えています。共通のテーマに関心を寄せる不特定多数の方が集まる場です。仲間内で固まってしまったり、ふだんオンラインではよく見かけるIDの方に話を伺うチャンスを、名刺交換レベルで終わらせてしまうのは残念です。

知らない人同士でも話をしあえる仕掛けとして、次のようなことを実施していますが、これは現時点でのアイディアで、もっと良いアイディアがあったら、どんどん積極的に取り入れたいです。もし、このメルマガの読者の方で、イベントを開催し、来場者同士のコミュニケーションを活性化するアイディアをお持ちの方がいらっしゃいましたらぜひ教えてください。

1-2.Wikiばなで実施している仕掛け

以上の他、細かな仕掛けは他にもたくさんありますが、「1.来場者名簿はあらかじめオープンにする」に手応えがあります。このメリットおよびデメリットを記しておきます。

一般的なイベントですと、スタッフやメインの発表者しか、誰が来るのかわかりません。来場者同士は互いに誰が来るかを知りません。また、メインの発表者は当日の主役ですので、イベント終了後、参加者が発表者などと話をできる時間も限られています。

しかし、あらかじめ来場者名簿が公開され、誰が来るのかわかっていれば、メイン発表者以外にも「あ、この人とは一度お会いしてお話したかったんだ」というような方も発見できます。来場者名簿にそのような人が登録していれば、メイン発表者以外にも人に出会う楽しみが増加し、イベントに行く動機が増えます。これが、メリットです。

デメリットとしては、やはり、はじめての人と挨拶をしたり、話をしあうことが苦手、でも、メインの発表は聞きたいという方がいます。そうした方は、最近のWikiばなの形式では本編と懇親会を分離し、本編だけ聞いて、懇親会前にさくっと帰られるのもよし、ご自由にどうぞ、というところで、現在は対応しています。

2.イベント開催に役立つアプリケーションとウェブサービス

さて、いよいよ、イベント開催のための、利用アプリケーションやウェブサービスの解説に入ります。

Wikiばなで心がけているのは、ひとつのウェブサービス内…たとえばSNSや一つのblogなど…でイベントの告知やアーカイブを完結させずに、コンテンツの役割に対し効果的なウェブサービスを連携し、幅広く活用している点です。

Wikiばなでは、一回のイベントを開催するのに、場面に応じて、次のようなウェブサービスを使っています。

このように沢山のウェブサービスを利用しますが、情報はすべて公式ページに集約されていきます。準備段階から、企画から告知、運営、そしてイベント終了後の記録は、公式ページからリンクを張り、たどれるようにしています。

(例)第十回Wikiばな公式ページ http://j.mp/wikibana10

2-1.パスワードを忘れないために

まず最初に用意しておきたいのは、ウェブサービスではなくアプリケーションです。パスワード管理ツールです。ウェブサービスをたくさん使うと、その分、管理するパスワードが増えていきます。またパスワードの生成やそれをひとつひとつ覚えておくのは面倒くさいですね。普段、TwitterやSNSやblogなどで記事を投稿する方は、自分のログインパスワードを覚えておくだけでいっぱいいっぱいではないでしょうか。そこで、わたしはパスワード管理ソフト「KeePass」(http://keepass.info/)を利用しています。

KeePassはパスワードを管理するだけではなく、パスワードの生成や、ログインURLなどを記憶しショートカットでログイン画面を開いたりユーザ名、パスワードを自動入力してくれるところも便利です。

ここで、イベントを開催するときにわたしが心がけていることですが、イベント関連で使うウェブサービスのユーザ名(イベント名のユーザ名、これを公式アカウントと言います)・パスワードは、一人だけで握るのではなく、少数の主要なスタッフにはシェアしておきます。

それは、万一、管理者が何らかの事情で身動きが取れなくなったときの、イベント開催を遂行する代替要員を確保しておくためです。少なくとも、「リアルイベント開催のためのパターンランゲージ」の中にある共同開催者(一緒に企画を考える相方)には、これらのパスワードを知らせておきます。

2-2.成長する公式ページ

公式ページは、どんなイベントでも、(短縮URLを除く)一意のURLのページを用意するのが良いと、わたしは考えています。それはWikiでも良いし、blogでもよいし、HTMLをアップロードしたものでも構いません。

ここで重要なのは、開催予告から終了後もイベントの記録として残しておける一意のURLであることです。

もちろん、メーリングリストなどで、イベント情報をコピーして流すというのも効果的な告知方法なのですが、プログラムや発表者、また、開催時刻、懇親会の有無など、メーリングリストに告知を流した後に変更されたり、決まったりする事柄も、多々あります。

そうした時に、一意のURLを示し、「最新の情報はこちらをご確認ください」としておくと、後からの変更に対する、主催者の精神的負担も格段に楽になります。

また、最近は告知の媒体としてTwitterが盛んに使われています。Twitterに流せる情報は140文字とイベントの告知としては情報量が少ないので、開催日付、タイトル、発表者、ハッシュタグ情報のみを記し、「詳細はこちら」と公式ページへリンクをすると有効的です。

公式ページとして選ぶツールですが、blogのエントリを公式ページとしても良いのですが、blogですと通常、一回更新されたら、そのエントリに対する追加情報はないというのが一般的な認識です。

それに対し、Wikiは随時情報が変更、修正されるツールとして認識されていますから、これも情報の更新・修正に対する精神的負担が軽減されます。ただし、Wikiは、どの部分が更新されたかが、わかりづらい部分もあります。ですから、履歴機能や差分機能がついたWikiを選択すると良いでしょう。

もう一つ、Wikiを使う利点は、告知だけではなく、まとめWikiとしても利用できる点です。管理者一人が作成したり情報を掲載するのではなく、スタッフや発表者、来場者が、それぞれの判断で作成し、ウェブ上に掲載したコンテンツ(告知や、運営スレッドや、中継ログや、開催後のレポートblogなど)へのリンクを、複数人でまとめてゆけます(もちろん、リンクだけではなく、編集ルールをうまく作れば、より多くの人の編集協力を招くこともできます)。

イベント自体、一人でできることではありません。イベントは複数人の協力者によるコラボレーションの賜です。そのコラボレーションをオンライン上でも続けるには、Wikiは最適なツールと言えます。

2-3.オープンな来場申込

来場者申込のウェブサービスも、さまざまにありますが、Wikiばなではここ数回、「こくちーず」(http://kokucheese.com/)を利用しています。

理由は、次の3点です。

個人情報保護の観点から、来場者申込リストを公開することをためらわれるケースもあるかもしれませんが、「登録する名前は通称でも可」という前提にしておき、また、リストを公開することと公開する項目を明示しておけば、むしろ、イベント運営はやりやすい、というのが、Wikiばなでの感触です。

(ただし、Wikiばなは、ウェブ上での活動に偏った方が多く来場されるイベントですので、未成年者対象のイベントや、学校や地域関連のイベントではこの限りではないかもしれません)。

こくちーず以外にも、SNSなどを利用した来場申込サービスがありますが、あらかじめユーザ登録をしていないといけません。イベントの趣旨や来場者層にもよりますが、来場申込以外にユーザ登録が必要なものは、来場者層の幅をせばめたり、申込の敷居を上げたりすることがあります。

来場申込リストは、ウェブ上に公開できる・できないというのも重要ですが、csv形式でデータを取り出せるかというのも大切です。csv形式でリストを取り出せれば、そのデータを加工して、来場者の名札や出欠チェックシートを作ることが楽になります。その観点からは、わたしは試したことはありませんが、Googleドキュメントのスプレッドシートを利用しても良いかもしれません。

2-4.オンライン上の会話空間

イベントを開催するためには、いくつかの会話空間が必要になってきます。

Wikiばなは、発表者との事前打ち合わせをのぞいて、ほとんどの企画・運営の会話がオンライン上で行われるため、意図的に次の雑談、運営、企画の3つの会話空間に区切って、ウェブサービスを利用しています。

具体的には、雑談のための会話空間はTwitterのハッシュタグを利用し、企画、運営のための会話空間は、qwikWeb(http://qwik.jp/)というWikiとメーリングリストが融合したシステムを使っています。

(1).雑談のための会話空間

雑談のための会話空間は、Twitterがまさにそれです。特に「公式ハッシュタグを使おう」で詳細を記しますが、ハッシュタグのツイートはイベントに関する雑談空間として最適です。

Twitterではスタッフの募集なども行いますが、挙手があったらその方を、運営のqwikWebへ誘導しています。理由は、Twitterはログの流れが速かったり、見えているタイムラインが人によって異なるため、なるべく、関係者が共通のログを追えるようにするためです。もしも、Twitterで運営に関わる何かが決まった場合は、できる限りtogetterなどでログをまとめ、公開し、公式ページからリンクしておきます。

(2).運営のための会話空間

運営のための会話空間は、個人情報(具体的には本名と携帯番号を結びつける情報)を除いて、フルオープンなMLとして、ログを公開しつつ、運営しています。また、誰でも、qwikWebへの参加は自由にできます。Wikiばなの運営のための会話空間はこちらです。http://qwik.jp/wikibana/

ここでqwikWebを使うのは、MLだけではなく、Wikiとしての機能もある点です。メールの件名がWikiのページ名になるので、たとえば、簡単な投票や、役割分担表などをqwikWebのページに表を作り、みんなで編集していくと、話がスムーズにすすみます。

(3).企画のための会話空間

企画のための会話空間は、qwikWebを使いますが、運営とは別に、一回ごとに作成しています(http://qwik.jp/wikibana10/ など)。主催、企画、メインの発表者など少数の人のみ、了承を取ってから登録します。

また、このqwikWebはクローズドにし、ライトニングトークの応募用のメールアドレスとしても使ったり、一般に情報を公開したくない事柄を扱います。

2-4.イベントとTwitter

Twitterはすでに何度か言及していますが、さまざまなシーンで活用できます。

この項目では、イベントとTwitterとの観点からTwitter利用のポイントを説明します。

(1)公式ハッシュタグを使おう

まず、イベント開催が決まったら、公式ページやアカウントで主催者がハッシュタグを周知します。ハッシュタグを通して、興味を持った人がイベントに関する話題を追えるようになります。また、フォローしあっていない来場者同士もコミュニケーションが出来ますし、Ust中継(Ustream)をしている場合、会場に居ない参加者からの質疑応答なども受け付けられるようになります。何より、イベント当日にハッシュタグを通してツイートされた投稿は、貴重なイベントの記録となります。

ハッシュタグは、ハッシュタグクラウド(http://hashtagcloud.net/)というウェブサービスに登録すると、ログが取得しやすくなります。ハッシュタグクラウドで取得したログは、イベント当日分に限り、公式サイトなどに保存し、イベントの記録として公開するのも良いでしょう。Wikiばなでは、ハッシュタグクラウドで取得したcsvのログを、Wiki記法に置換し、公式サイトに掲載しました(http://j.mp/wikibana10hashlog)

イベント時のTwitterのログを保存するのは、ハッシュタグクラウドの他に、togetter(http://togetter.com/)の利用もあります。togetterの場合、一定期間の大量の投稿をまとめるのはTwitter APIの使用回数の制限にひっかかりやすいのと、「公式」としてどこまでツイートを拾うか迷うことがあるので、最近わたしは、ハッシュタグクラウドの利用が良いかなと考えています。一方、togetterのデコレーション機能は、ツイートの文字を装飾することによって、視覚的にイベントの文脈を伝えられたりもするので、ここら辺、どのツールを使ってまとめるかは編集意図の在り方と好みの問題かとも思います。

(2)Twitter中継

Wikiばなでは、2009年8月の第七回Wikiばなの時に、初めてTwitter中継を始めました。このときは、公式アカウント(http://twitter.com/WikiBana)に、専用スタッフを二名入れ、交代で中継、いわゆるtsudaりをしてもらったのですが、投稿回数の制限が入ってしまい、途中から、公式アカウントからのTwitter中継ができなくなりました。また、スタッフをしてくださった方の感想では、集中力の負荷が高く、疲労が激しかったそうです。

そこで、第八回からは、公式ハッシュタグ(#wikibana)をアナウンスし、来場者やUst中継を見ている方に、自由にtsudaりや、感想を、ハッシュタグをつけてツイートしてもらうようにしました。公式ハッシュタグのアナウンスは、イベント告知開始時に公式ページに入れ、また、当日は前説などでもアナウンスを入れると、「このイベント、中継しても大丈夫かな?」と迷われる来場者に親切です。

当日、公式アカウントからは、タイムライン上にプログラムの区切れが見えるように、発表者の入れ替え時にのみ、演目と発表者名とハッシュタグをつけたツイートを投稿しましょう。イベント時の公式ハッシュタグのログをまとめ、あとから読み直す時に、その区切りが大変役立ちます。

(3).はがき大の名札にTwitterアイコンを

Wikiばなでは、来場者に名札を装着してもらうのを通例としています。また、第十回Wikiばなからは、はがき大の名札になりました。名前の文字が大きく印字されるのがとても良いです。(これは、IT系勉強会やコミュニティにある「はがきサイズの名札クラスタ」に影響されています)。

名札には、名前を記すのが通常ですが、しかし、オンライン活動を主体とした参加者がメインのWikiばなでは、常用するアイコンによって、人を識別することもよくあります。来場者名簿に登録してもらったお名前と、Twitter IDが異なる場合、なかなか人が合致しません。

そこで、来場申込をしてもらう時に、Twitter IDも申請してもらい、このデータをもとに、Twitterからアイコン画像を取得して、名前と共に名札に印刷する簡単なプログラムを作りました。このプログラムは汎用的ではないのですが、こちら(http://j.mp/wikibana10nafuda)に掲載しています。ご自分で作られる際、参考にしてください。

懇親会などでは、アイコン名札が大活躍で、「あっ、あのツイートを書いてらっしゃる方ですね!」というような、「知っているような知らないような微妙な間柄の方」ともスムーズにお話ができます。

なお、Twitterのアイコンを名札に使用するには、来場申込時に「Twitter IDを入力された方のTwitterアイコンは名札に印刷します」など、明示しておくのが大切です。

3.おわりに

大変、駆け足で、また、取りこぼしているTipsもあるのですが、イベント開催時のウェブサービス利用のポイントを説明しました。

Wikiばなの場合、ウェブサービスを利用しイベント開催をするコツは、次の3点です。

今回記したノウハウが、これからイベントを開催する方のお役にたてば幸いです。

ぜひ感想をお送りください。

ご意見・ご感想をお待ちしています。

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