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shinoのときどき日記


2012年02月22日(Wed)

『岳人備忘録』山本修二編集

2010年に出版された登山界に関わる47人のインタビューと備忘録。現役のアルパインスタイルやフリーのクライマーはもちろん、プロガイド、山書の翻訳家、出版社、引退した山岳警備隊、山岳会の偉い人、過去に記録を残して姿を消したクライマーなど多岐にわたる。

このところ、山野井泰史さん、竹内洋岳さん、服部文祥さんなどの著作を読んで、山の本の奥深さの片鱗に触れ、もっとこの世界を知りたいと思っていたところにはすごくうってつけの本だった。

記録をつけるというのが登山文化にはあり、それが登山文学というジャンルにまで昇華されているためもあり、この本では単純に人を紹介するだけではなく、書籍も盛んに紹介されている。もっと読んでみたいと思える本が幾つも見つかった。

ところで、この本で初めて知って、凄いなぁ、と、思った人を記しておく。

若林岩雄さん 沢登りの人。お子さんが自閉症のため、住まいを埼玉から長野県へ移し、障害をもつこどもや保護者と山歩きの活動を行う。著書に『親山遊谷』など。

遠藤由加 チョーオユーを山野井妙子とザイルを結び、登った女性登山家。情報の過剰摂取に懐疑的。著書『きっと、また登る』

馬場保男 谷川岳警備隊を35年勤め、1000件以上の遭難事故に関わった。

川村晴一 日本人で初めてエベレスト無酸素登頂を果たした後、人間関係に疲れ20年ほど登山界から姿を消した。現在は初心者向け登山ガイドを行っている。

他にも、技術力や組織力、凄い人がたくさん登場していました。また、直接登場しなくとも、言及されてる若手の方にもこれから楽しみな方が何人かいました。

個人情報保護法などから、他人に言及したノンフィクションが書きづらい世の中になってきているかもしれないけれど、山岳記録、山岳文学、これからもすばらしいものがでてきて欲しいな!

Tags: 読書

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