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shinoのときどき日記


2012年01月17日(Tue)

『アンのゆりかご―村岡花子の生涯』村岡恵理

アンの翻訳者、村岡花子の伝記。村岡花子の出身のミッションスクールはメソジスト派のカナダ人宣教師が設立した学校だ。ここで、村岡が英語に親しみ、アンに接することとなったのは、アンのあとがきからも読み取れていた。メソジスト派は、アンの作中では長老派のライバルとして高齢のご婦人方にひんしゅくを買っているのだけれど、そのメソジスト派の流れから日本ではアンが広まった、と、考えるのは、なんだかとても愉快だなぁと思った。*1

また、村岡花子はアンとほぼ同年代の日本、関東大震災、世界大戦、言論統制の時代を生きた人で、また、関東大震災前にあった横浜の聖書やキリスト教書を印刷する会社の人のもとへ嫁いでいたことがこの本からわかった。つまりアンの著者で牧師婦人のモンゴメリ同様、村岡自身もキリスト教社会に深くコミットし、信仰に生きていた人なのだ。

ミッションスクールの歴史や、横浜のミッション・教会関連の歴史が垣間見れて、わたし自身が横浜のミッションスクール出身なものだから、自分のルーツとなったことの歴史がよくわかって、とても良かった。*2

アンのゆりかご―村岡花子の生涯 (新潮文庫)
村岡 恵理
新潮社
¥ 740

Tags: 読書

*1 アンのシリーズそのものを読んでいて、メソジスト派が海外伝道に重きをおいているために、保守的な長老派のご婦人方にこてんぱんに評されているけれど、日本のミッションスクールなどはメソジスト派が世界伝道に励んでくれたためにできたものだし、設立当初は派遣伝道師や派遣シスターらが基礎をしっかり作ったところが多いので、こうした教会や団体は日本では伝統があるイメージとなっているので、アンを読んでたときは作中のメソジスト派のイメージをやや補正する必要があった。

*2 この日記は、2012/02/10に大幅加筆しました。

『アジア新聞屋台村』高野秀行

この著者の本は初めて読んだ。日本に集うアジア各国の人種が坩堝にビジネスをし、一つの会社を成す小説だった。女性がパワフル!おもしろかった。

アジア新聞屋台村
高野 秀行
集英社
¥ 1,680

Tags: 読書

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